暮れの東京出張の際、神保町で求めた一冊が「蕎麦辞典」(植原路郎著 東京堂出版)。
もともと蕎麦は大好きで、本当なら毎日でも食べたいくらい。
そうもいかないので食べられない時に楽しもうと買ったのがこの辞典。読み始めるとこれが面白い。
辞典だけれどじっくり読み込むと(蕎麦だけに)なかなか味がある(うまい!)。
蕎麦七十五日(そばしちじゅうごにち)という項目に目が止まる。
辞典によると蕎麦の生育が早いことを意味していて、蕎麦は発芽して二週間くらいすると蕾を持ち始めるそうだ。条件さえ整えば六十日くらいで収穫できるとある。
それに比べて紅茶の木はというと、苗を定植してやっと形になって最初の芽を摘めるに至るのにまあ五年の歳月。本物の成木に達するにさらに五年はかかろうか。気のながい作業だけど、植えないことには始まらぬ。
ということで、今年あらたに苗の定植を行う計画です。
その準備も行いながら、蕎麦は七十五日。紅茶は千八百五十日(五年)だもんなぁと感慨深く感じ入っております。
「蕎麦は細く長いけれど紅茶の方はもっと永いですよ」なんて冗談も言いたいくらい。
生産者としては、年越し紅茶が流行(はや)ってもいいと思うんですけど、いかがでしょうね。